1つは、お寺が管理運営されている葬儀会館を利用すること。
基本的には、使用料さえ支払えば、檀家に限らずどなたでもご利用いただけます。
もう1つは、お寺の本堂で葬儀をすること。
原則檀家の方に限られるでしょうし、なにより、本堂での葬儀を受け付けないお寺の方が多いでしょう。住職の許可が必要となります。
この、本堂での葬儀はいくつかの問題点を孕んでいます。
問題1)お寺の構造上の問題
お寺と葬儀会館と同じように考えてはいけません。
そもそも葬儀は自宅で行われるものでした。それが外注化が進み葬儀会館が進化してきました。
ですから葬儀会館には遺族が過ごしやすい控室があり、お風呂やシャワーがあり、さまざまな設備が整っています。
ところがお寺ではそうはいきません。
- 〇本堂にはどれくらいの方が入れるか
- 〇親族の控室となるスペースがあるか
- 〇一般会葬者の食事のスペースがあるか
- 〇受付はどこに設けるか
- 〇駐車場は足りているか
- 〇靴を脱ぐ必要がある場合、靴脱ぎ場をどこにするか
- 〇宿泊は可能か
・・・など、そもそもお寺の建物自体が葬儀を受け入れるために作られていないのです。
お寺にも、大きいお寺、小さいお寺があります。
では仮に大きなお寺だとしても、野外設営などを葬儀社に依頼することで、対応できる部分もありますが、それら、会館の場合では必要のない費用が余分にかかってしまう可能性は大です。
「お寺の本堂だと柩を置くだけで葬儀ができるから安くつく」と考えるのは安易でしょう。
問題2)お寺は寺族の生活の場でもある
お寺という場所は檀信徒の礼拝所という公共財であるのですが、同時に寺族たちの生活の場でもあります。
本音として、お寺で葬儀をされることを敬遠する方はたくさんおられるでしょう。
葬儀を執り行うとなると、親族や参列者、業者の車などの出入りも生じてしまいます。お寺の中だけでなく、近隣の方々の理解も必要となるでしょう。
そうした要素をお寺として受け入れられるかはお寺個々の考えによって大きく異なるでしょう。
それでも、本堂での葬儀を受け入れて下さるお寺様はたくさんあります。
わたくしどもでも施工実績はあります。
特に最近では家族葬が多いので、お寺としても受け入れにそこまでの負担がかかりません。
とはいえ、考え方は本当に様々です。
祭壇ひとつとっても、寺院の内陣のお飾りの前に柩を置けばいいという方もあれば、本堂の飾りを幕で隠して、その前に葬儀社が新たに祭壇を拵えなさいとご指示されるお寺もあります。
ですから、「お寺で葬儀をするから安く上がる」と決めつけるのはおススメしません。
とはいえ、厳粛な雰囲気の中で執り行われる葬儀には、葬儀会館では感じることのできない深みがあり、もしかしたらそうした宗教の力こそが、悲しみにくれる人たちのグリーフケアになりうるのかもしれませんね。
ご希望の方はまずはわたくしどもに、ご連絡ください。